さようならのかわりに

「シャツ出てるから!」

今も変わらぬ姿を残す給湯室の前、

スーツすらまともに着れない私に、

冗談とも叱責ともとれる薄い笑みを浮かべ

そう、お声かけいただいたのを今でも鮮明に覚えています。

2006年4月、身分は大人、中身は子供、

まだ何者でもない私はいったいどう見えたのでしょう。


22歳、右と左はさすがにわかりましたが

まだ学生気分のぬけぬ私からすると、

すごく大人の女性に見えました。

考えてみれば今の私と同じくらいの年齢

でも、間違いなく今の私より若々しく

古い言い方をすれば、

キャリアウーマンという感じでした。


そんな事もあり、

当初は近寄りがたく、

少し怖い存在だったように思います。


それから早十数年

タウンツアーズが厳しい時

私自身がつらい時

いつもその存在に救われてきたような気がします。

迷惑もかけました

無理なお願いもしました

憎まれ口もたたきました

生意気なことも言いました

たくさん、たくさん。

今思えば甘えまくりでしたね。

おかげで甘え癖がついてしまいましたよ(笑)


やっと

「言われなくても出来るようになったん!?」

とおっしゃっていただけるようになってきたのに・・


突然の知らせを聞いた夜

らしくもなくあふれ出る涙を抑えきれずおりました。

でも、もう泣くのはやめです。

「そろそろしっかりしてきてもいい頃じゃない!?」

そう、言われるような気がして、

だからなんとかやっていきます。

頼らなくてもやっていけるように。


あらたまって感謝の言葉を伝える事はできませんでしたので、

今更ですがこの場をお借りして、

いつも守ってくださり助けてくださりありがとうございました。

このご恩は忘れません。


ただ、ご存じの通りけっこうな酒飲みなもので、

早めにそちらに伺った際は

「なに、もう来たん!?」

とは言わないでくださいね。

頼りにしてますから。


15年間本当にお世話になりました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

Town Tours

武蔵野交通株式会社 タウンツアーズ

0コメント

  • 1000 / 1000