ジコチュー

CENTER OF UNIVERSE

ミスチルにそんな曲があったな。

地球規模になるとさすがにヘソもでかい。

「助けてください!助けてください・・」

って、散々セカチューをいじってネタにしたくせに、

いまこの場所に立っている私は実に滑稽だ。

生憎、叫ぶほど愛は持ち合わせてはいないが、

ここまできて行かない理由は見当たらない。


エアーズロック

今はウルルと呼ぶ人が多いらしい。

頂上までは1時間程

登山経験もなく、

なんの準備もしてこなかった私に登れるものなのだろうか。

かつては滑落事故もあったと聞く。

一枚岩を目の前に臆病風が吹き抜ける。


もっと日本人だらけかと思ったが、

今のところ見当たらない。

まわりは、私より5cmは大きい男性と同じくらいの身長の女性ばかり。

こんなデカい人たちとよく戦争などしたものだ。

そんな卑屈な思いを抱えつつ、

日本では浮きそうなサングラスをかけ

その岩を一歩一歩ふみしめる。


思ったより暑くない。

思っていたくらいしかキツくない。

これならなんとか行けそうだ。

両足と両手に命を委ね

私より一回り以上大きな背中を追う事1時間。

頂上らしき所が見えてきた。


踏みしめた頂きは固くもやわらかくもない、

ただ、あたたかさのみ感じる独特な感触だった。

そして、目の前に広がる景色は世界の中心そのものだった。

日本ではこの景色は見られない。

日本ではこの風は感じられない。

世界はやっぱり、でかくて、とてつもなく広い。


自分なんてちっぽけ・・

まだ20年ちょいの人生しか歩んでない私が小生意気に言うセリフではない。

ただ、これからいろいろな所を旅し、

もう少し強くなりたい。

できれば優しくなりたい。

二十歳そこそこのまだ何も知らぬ私は。

今は登れぬ世界の中心で。

自分の未来のことばかりを考えていた。

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